奨励賞
町並み保存地区における観光のあり方に関する研究−ベトナム・ホイアンにおける提言−
垣内典之
要約
世界中に手つかずとなって放置されている町並み・遺跡などが多数存在しているが、それらに価値を見いだし、保存していこうとする動きは近年大きくなってきている。ベトナム・ホイアンもそのような町並みのひとつである。国際的支援を得て、現在保存活動が進行中であるが、そのような折りにホイアンは観光客の急激な増加を迎えており、早急な観光計画が必要とされている。
本研究はそのような背景を踏まえ、ホイアンでの観光化の現状から、将来の観光地ホイアンはどうあるべきか提言することを目的とした。
ホイアンの観光資源としてa)町家、b)会館、c)市場・屋台、d)自然景観の4つをとりあげ、それぞれについてどのような魅力を持っているかを分析し、それぞれを観光に活かすための方法を検討した。
ホイアンの観光化には大きく4つの要素が見られた。1)設備導入による住様式の近代化、2)それに伴う建造物の改変、3)新交通体系による観光形態の変化、4)観光関連業種の増加である。これらはホイアンの将来的な観光地としての存続に大きく関わる要因であると思われた。
最終的には観光地ホイアンのあるべき姿としてa)通過型観光から滞在型観光への移行、b)保存に向けた財源の確保、c)社会基盤の早急な整備、d)地区交通体系の再整備、の4つをあげ、ホイアンの将来的な観光による地域振興と町並み保存活動の継続へ向けた提言とした。
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